PICA-MEQUE

Wednesday, February 25th

サイレンと魔女


DSC00548 (8k image)沈黙の多数派という便利な概念があります。物言わぬ多数派。これが科学的に証明できないから幻想だどうだという議論もあれば、「俺がサイレントマジョリティの代表だ! レペゼン!」と義憤に駆られて声高に叫ぶことを信条とする派もいたり、「所詮サイレントマジョリティの遠吠えだよ…」とグラスを傾けて一線を引く派もいたり、「サイレントマジョリティのことも考えて!」と声なき市民からの投稿に使われたり。

で、どういう目的で使われるかと言えば、大抵は意見を通す際に説得力を増すため道具として、です。そして「こんなにも民衆の感情が高まってんダ!」と政治的意志決定の場で用いられることが多いように思う。とはいえ、政治の場だけでなく、代表委任で物事が決定される場、と一般的に言えそうだ。(さらには子供の議論で言う「だってみんな言ってるモン」も同じ理屈だが)

としたところで、昨今のインタネ上の議論にて、「サイレントマジョリティが…」とことさらに声なき声を強調する傾向はいつから始まったのだろうと疑問が生じてきた(あるんですよ、そういう傾向が。いつからインタネ界は代表委任でモノゴトを決定する場になったのだろう)。

まず、俺自身も、疑念は感じつつも議論に参加しない局面というのが多々ありまして、それはなんでJAROと考えてみると、


  • そんなヒマないから無言
  • 議論が小難しいから参加できない
  • 論じてる奴らと同じ文法で対話するのが辛い
  • フレーミングは見てるからこそ面白い
  • 実はどうでもいい

と、最後の条件が最も強いことがわかった。なまじっか共同体(社内とか担当内とかね)に属しているからこそ、この「どうでもいい」瞬間に出会う回数も多くなっていることは否めない。と同時に、本当にどうでもいいのかについてあまり考えてないという場合や、当事者意識、帰属意識がないというそもそもの問題があったり。

で、議論が始まるたびに思うんですが、サイレントマジョリティ云々を言う前に、共同体メンバに、この「当事者意識」と「帰属意識」を持ってもらわないことには、議論が集結しても何か不足すると思うんですね。結果的に、不信感が積もったり、決定事項だっつーのに「やっぱりやってらんね」感が抜けなかったりするのはこのせいじゃないかと。

同時に、一般には、インタネ上の共同体への帰属なんてのは実生活と直結した他の帰属意識と比べるとまったく小さいのではないかと推察もできるかと。だからインタネ上の議論は避けられがちだし、どうでもいいと思えてしまう。(もちろん、極端にインタネ上の共同体に帰属したがる人もいる。これは別の話だが)

インタネ上なり、リアル共同体なりで、俺意見を通したいぜウッハー! な状態にある人は、大概の参加者は「よくわかんないからどうでもいい。議論ウザい」状態であることを認識することと、そんな彼らをどうにか動機づけることが最初にやることなんじゃないか、などと思った次第。

サイレントマジョリティの声を集計しまーす! なんつって、単純なYES, NO選択肢を集計するとかは止めていただきたいところ。

02.25.04 @ 06:18 PM JST [link]


Thursday, February 19th

incredible? unbelievable?


ふと気づいたが、感謝の意を示す「有り難う」、これの語源は「有り難い」=「なかなかない」なので、「むしろありえなーい」なことと同義と思えなくもない。

となると、近い将来、「ありえない」が感謝の意を示す言葉になりはしないか。
「ごめんそれ取ってー」
「はーい」
「ありえなーい」
   :
「アイツ、『ありえない』の一言もないんだよ? 酷くない?」

てなふー。

02.19.04 @ 08:05 PM JST [link]


Wednesday, February 18th

言語擬人化作戦


スピッツのスターゲイザーだっけ? あれのAメロの「♪こま~る~、こま~る~」のとこがコンビニに入った瞬間に聞こえてきてしまい、笑いが止まらない。この曲おかしいぞ。

programmer (5k image)で、ですね。「○好きな人って△△だよね」という会話はよくなされる訳ですので、「ある言語の信奉者は、その言語独特の傾向がにじみ出る」という勝手な妄想をしてもいいと気づきまして、さっそくやってみることとしました。のだけど、どうせだから主要なプログラミング言語を、言語特性を踏まえて擬人化もしてみます。言語特性は使われ方の実情も加わってますが、もちろん主観バリバリです。

C
言語特性:
シンプルなロジック。ローレイヤのプログラミング向け。歴史があってポータビリティが高い。gcc ならいろんなCPU向けにクロスコンパイルできる。が、一人でやってると、ドキュメントもなくて再利用性の低い「俺ライブラリ」が積もっていって、ある意味他人にとっては使い勝手が悪くなる。最適化オプションを与えまくると挙動がおかしくなる。

擬人化:
思考が単純。基礎体力が高いがゆえに、独自のトレーニングを積みがちだが、よいコンパイラ(コーチ)に出会えば、どんな種目でもこなせる体育会系みたいな感じ。教育に失敗すると、基礎体力の高さをもてあまし、不良化することもある。連続耐久外回り営業などが得意。

C++
言語特性:
構造は超綺麗だがまわりくどい。ちょっとしたことをやるのにもごっそりコードを書かなくてはならない。

擬人化:
何事も綺麗な構造であることを優先し、時間やコストの概念がない。何か一言を言うために前置きをずーっとする癖がある。理想追求の孤高の人。

COBOL
言語特性:
メインフレーム時代(今もだが)に一世を風靡した。定型なデータに対しては恐ろしい処理能力を発揮するが、ちょっと一般性の高いプログラミングには不向き。

擬人化:
レジ打ち、事務処理など、定型の労働と定時上がりが得意&大好き。ちょっと一般性の高いテーマを与えられると機嫌が悪くなる。老人ウケがよい。

FORTRAN
言語特性:
行列演算、数値演算は超速い。使いこなせる場所と人がいると科学計算に能力を発揮する。構造化プログラミングには不向き。数値演算ライブラリが恐ろしく充実している。

擬人化:
廊下や路上などで意味なく普段から走ってる。白衣が似合う。普段から数式をつぶやいている。ストイックで質実剛健なので、外観がボロボロな車に乗ってたりする。

Delphi (Pascal)
言語特性:
ある時代においては、VB並にちょこざいなことがすぐできて、C並に速い、可読性も高いという利点を備えていたが、今や方言のようになってしまった。しかし昔の MacOS がPascalでできていたことに誇りを感じてもいる。OOPができる。

擬人化:
エスペラント使い。

VB
言語特性:
最大公約数的、似たり寄ったりなインタフェースを使った、小手先のツールを作成するのに使われる。周りの強力なツール(Officeなど)にフロントエンドの機能を加えることに向いている。Basicなので使いやすくはある。

擬人化:
文系だと、クリエイターの表で媒体に対して頑張る代理店のような感じ。確信犯的に最大公約数への効果を狙ってるか、天然で最大公約数かのどちらか。

VC++(C#)
まだよくわからない。

Java
言語特性:
Write Once, Run Anywhere な理念は崇高だが、行き着くところ携帯電話の中と企業用web系システムの内部にのみ居場所がある。C++ がベースだが、C++ で面倒だったところは廃している。強力なメモリ管理や開発フレームワークのご加護により、素人でもそこそこ開発に参加できる。バーチャルマシン上で動作するため、マシンの真のパフォーマンスを出しているとは言い難い。若い子が最初に覚える言語になりつつある。

擬人化:
大きめの会社で仕事をしてるが、視野が狭く、車輪の再発明に喜んだりしがち。

Perl
言語特性:
湯水のようにインフラのリソースを使うことで、ちょこざいなことを楽勝でこなすタイプ。「一つのことを行うアプローチはいっぱいある」スタイル。暗黙のうちにいろいろ都合のいいようにやってくれる癖がある。

擬人化:
株価の高いIT系ベンチャーで、ポロシャツの首にケータイを下げている。暗黙のうちにいろいろやってもらうことに(都合のいいうちは)抵抗はない。何事についても、ビルドの高速化が大事であり、実行の高速化は関心がない。

Ruby
言語特性:
日本製。オブジェクト指向ののきれいな構造に則っているのにミニマルな書式で書ける。Perl が嫌い。

擬人化:
ドメスティックブランドを大事にするタイプ。日本のコミックが無批判に大好き。中小ソフトハウスに所属し、ウハウハなITベンチャーに対してルサンチマンを溜めている。Ruby 好きが「Ruby いいだろ光線」を発するところは、マカーの集団にも似ている。

Python
言語特性:
Perl並のことは全部できる。構文がわかりやすい。「一つのことを行う方法は一つだけ」スタイル。Perl が嫌い。

擬人化:
Ruby が日本コミック好きなら、こっちは純血アメコミ大好き。Perlが嫌いなところは一緒。ただし特にルサンチマンはない。

さて、俺はどれだろう。Rubyかも。

02.18.04 @ 05:08 PM JST [link]


Thursday, February 12th

PgUp, PgDn


仕事用マシン話。先日から東芝Dynabook SS 3490から乗り換えて、NEC VesaPro NXを使用しているのですが、外見上の主な違いはトラックポイントがタッチパッドになったことなので、移行上の問題はタッチパッドに慣れること、だと思ってました。

use_keyboard (9k image)ところが、数日使用してみて、(なんだこの違和感は…)となってるわけです。すると、問題はトラックポイントじゃなく、Fn キーの位置にあったと判明。

普段、webを見る上で多用してた ページアップ、ページダウンのキー、そしてテキスト書く上で多用してた Home、End キー、これが Dynabook の頃はカーソルの左に Fn キーがあったため、片手で押下できてたのに、写真のように VersaPro では左端に配置されてるのです。これでは、両手のはじっこを使わないと押下できませぬ。そして Fn キーは OS の制御下になく、BIOSレベルで認識されるため、おいそれと他のキーと交換、はできないときた。

これまで何度もマシン入れ替えは体験してきたし、家でMac、社でWinのスタイルも数年続いてるので、デバイスへの体の順応性は鍛えられてきたと思ってたのだけど、ノート→ノート、いや、キーボードの配置変更は意外に大ごとなのだということを実感した次第。

ちなみにマウスはArvel社のUSB ウィズマウスがフィット。これは昔の、パフォーマの頃の Mac のマウスと同じサイズ・形状なのだ。

02.12.04 @ 12:58 PM JST [link]


Friday, February 6th

タテガキヨコガキ


そういえばここ数年(というか国語の教科書を手にしなくなって12年)は縦書きの文章を日常的に読んではいない。仕事上も100%横書き文書だし、コンピュータは横書きが標準だし、webだって縦書きする技術はあったと思うけど横書きだ。スロットの規制が変わるというので、傍線付きの改正条文を見てあまりの違和感に胃がすっぱくなったりしたのが最後の経験かもしれない。新聞読んでないってのも致命的だ。いや、どうやら、俺はもう縦書きの日本語を読むこと自体に拒否感があるようだ。

よく考えれば、縦書きの新聞は縦に畳むことができるので、満員電車にて器用に新聞を畳む芸が活用できるし、ビル看板も縦に伸ばせるので、掲示できる店舗数も増える。縦書き万歳。

てなことで、上記の縦書きスタイル指定を使って少し書いてみよう。ちなみにWindowsでIEじゃないとダメだ。


 縦書きの文書に慣れた人は、縦書きと横書きでアタマへの入り方が違ったりするのだろうか? やはり算術式や英数字記号を用いる関係で、横書きで左→右へと目を走らせるように俺のアタマがトレーニングされちゃってるので、縦書きのための目の運動が苦になってるのかもしれない。でも、そもそも人間の目が左右についてる関係で、一度に目に入る情報量は横>縦なのだから、横書きのほうが速読に向くのではないか。
 日本語の文字自体が毛筆縦書きに最適化されてるから、横書きはイカン、という考え方もあるだろう。確かに、毛筆で横書きしてもアート感覚で毛筆書体を取り入れた欧米人みたいになってしまう。
 しかし、だ。手の一部を紙に置いて筆記する上では、右利きの人は縦書きしてて手(チョップする部分)が汚れてしまうのだ。そういう意味ではライティングにおいても横書きのほうが便利だ。
 この辺の調査結果が書籍になってるらしいので、読んでみたいところ。でもこの本縦書きだろうな、うーん。


わかったことは、MSのフォントは縦書きさせると中心線がガタガタで辛いということだった。

いやまてよ、マンガのセリフは縦書きだ。抵抗なく読んでるじゃん>俺

02.06.04 @ 07:31 PM JST [link]


Monday, February 2nd

【物欲】欲しいな【物欲】


「ポケモン レッド/グリーン」の特製GBASPが発売

アチャモオレンジで相当満足したのに、さらに赤緑か…欲しいな…。

で、数日前からリーフグリーンを開始してみたのだけど、1996年、始めてカントーの地、マサラシティでフシギダネを手にした瞬間が思い出されてノスタルジックな気持ちに。ゲームでノスタルジックはレベルXでファミコン魂に火がついて、nyでROM集めてエミュで再現、することである程度満たされたけど、これは20年越しの記憶だからそりゃ懐かしかろう。一方のポケモンは8年ほどの歴史程度で懐かしがれるんだから俺の記憶も単純だ。

なんて考えてたら、メガドラのランドストーカー、スーファミのゼロヨンのゲームなどが猛烈にやりたくなってきた。これらは捨てちゃったんだけど、映画や音楽と違って、ゲームは保存性が悪いだけに、ずっと所有するのは難しいものだ。

02.02.04 @ 06:58 PM JST [link]


標準化する人

music: the latter / SCHA DARA PARR

また仕事関連ですけど。

↓の病院システム話でも書いたけど、最近は標準化する人⇔される人。一般化する人⇔される人、マクロで語る人⇔マクロに含まれる人、生産性を定義する人⇔その上で生産する人、フレームを決める人⇔決められる人、システム決める人⇔システム使う人、モデル作る人⇔モデられる人、仕掛け人⇔仕掛けられ人、なんて関係が気になってます。白襟と青襟の関係を、よりどんな局面でも生じる、普遍性のある関係にした感じかしら。

で、労働においての標準化や一般化という行為自体の是非は俺もよくわかんないのですが、ちと考えるのはこの行為を「する側」の人の心理です。もう一般的に「仕組む人」と言っちゃいましょう。

世の中の「仕組み」の多くは、仕組む人と仕組まれる人の関係性があって成立する訳ですが、多くの場合、「仕組む側」に自覚のある人は少なくて、むしろ美麗句で隠蔽されているケースも多い。この、自覚のない人が仕組む側の仕事をしてると、はて、自分が誰の視線で仕事をするのか定まってなくて、効果的に仕事できなかったりします。

で、一方、この「仕組む側」の人に「してやったり感」と「仕組んであげてる感」の傲慢感が出まくっている場合は、大抵仕組まれる側の反感を生みがちで破綻しちゃうように思います。てか俺が嫌いです。

自分のやってる仕事もあるレベルにおいては何かを標準化する、だとか、仕掛ける、てな行為をサポートする側にあることは確かなのですが、たまにどっち向いて誰のために仕事してるかわかんなくなることもあります。開き直って仕組む側に回ってしまって、何のこっちゃなアウトプット出したりしたこともありますし。そして対象を重視するあまり結局「サポートする」というミッションに応えられなかったりもします。

んで何度か経験して得た感じとしては、やっぱりここは常に「仕組まれる人」をハッピーにするんだ、という信念と謙虚な姿勢、がベースになるんでしょうなあ。その上で、個別の最適じゃなくて全体の最適のために「仕組み」を作ってるんだよ、という意識。これを加えていくと、やるべきことが整理されるような気がする。

逆に言えば、誰かのために仕組む作業だとか、どこかを不幸にする仕組みは破綻するってことなのか? と乱暴な疑問を持った次第。これはいずれわかるだろう。

02.02.04 @ 04:38 PM JST [link]


Sunday, February 1st

立派なシステム


えー、西新宿はNSビルの4Fにある循環器の外来に行って参ったところ、ハイテク設備にて通常の数倍の速度で心電図を取られ、ハイテクな呼び出し装置にてお医者様の個室に招かれ、いくばくかの問診の後、「んー、心電図も立派なWPWですね。うんたらって先生が詳しいから予約入れてみて」とスルーパスを出されました。んで、その予約とやらを入れてみたら、「最も早くて3/4でーす」と予約係に明るく言われたため、2月いっぱいは生殺し状態。引っ張りだこすぎる。

まあ、その話より興味深かったのが、この病院の、心臓の外来に特化した完璧なまでの処理システム。病院という設備に行くこと自体が超久しぶりだったのだけど、外来の受付、初診の処理、カルテの作成、ナースによる問診と検診手順の作成、流れ作業による心電図&レントゲン、そして待機してると再度個室に呼び出されてやっとお医者様(超ファット)に対面、終わったらカルテを患者自らが会計に提出、瞬時の事務処理、そして診察料請求&次回予約。

「病院の外来」って結構複雑な処理系だと思ったのに、ここまで人的システムが機能しているなんてよく設計されてるなーと思ったりした。システム屋の視点でしょうかね。

注目すべきは、これら一連の処理においてプロフェッショナル知識を必要とされているのはナースと医者のみで、他ほとんどの作業が院内の茶髪ねいちゃん達が処理しているところだ。茶髪ねいちゃんの処理能力に疑いを持つ訳ではなくて、(現実的に労働単価の安い)医療的専門教育を受けてないスタッフを効果的に配置し、ナースや医者はそのプロフェッショナル性に特化させ、病院としてのスループットを向上させているという点でエレガントなシステムと感じたのだ。あ、医療事務も専門か。

とにかく、ここにも、近代産業のテーゼである作業の定型化と労働の単純化がかいま見れた訳だが、その行為の巨視的な善し悪しはおいといて、単純に「よく回ってるねえ!」と感服した。地方自治体などは超見習って欲しい。

02.01.04 @ 12:46 PM JST [link]




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