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05/25/2005: "蟻とパレート"
働き蟻の様子を観察していた北大のチームが、「2割(A)の蟻だけ本当に働いてて、あとの6割(B)は普通に働き、あとの2割(C)はどうやら遊んでいる」「Cのグループを引き離すと、AからBに転じる個体があって生産性は下がった」てな発表(この話はググった結果ごとにどうも詳細が違う)をしたかと思えば、大阪府立大では「エサ集めの下手なアリが集団内にいた方が、優秀なアリだけよりもたくさんエサが集まった」てな発表をしたりしたそうな。
この話の示唆はいろいろあるようだけど、「だから働かない蟻が存在するのは必要悪。俺は働かない係でいいんだもん」と、全ての場合に汎化して考えたりするのは短絡的だが、蟻社会と同等の組織ならば同傾向があるのでは? と考えることもできる。自分の属する組織(カイシャでも、遊び仲間でも、サークルでも家族でも、自分以外の誰かがいればなんでもいい)が、蟻組織と同等な状態にあるかどうか判別することができるかもしれない。ちなみに蟻社会は「とにかく増えて巣をデカくして繁栄する」というかなりわかりやすい共通目的の下に存在するが、その構造は結構複雑、とされている。人間活動も詰まるところ増えて繁栄していることには変わりないと言えば変わりないが、増えたり繁栄したりすることが第一義でないとする、オルタナ(笑)な集団は実在する。
これを「Cに該当する2割の活動」とするのもまた短絡的で、モノゴトをつまらなくしそうな発想でイヤなのだが、事実、独創性やオルタナティブな発想は、その組織の構造が不安定な状態からしか生じないし、長期的にはその組織自体に作用するということを考えると、やっぱり当てはまってしまうのかなあと、ちょっと諦め加減で思ったりもする。とりあえず凡人としては、そのパワーと効果に対しては常に敬意を表したい。
参考:パレートの法則