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03/22/2004: "GO GO WEST!"
もちろん心の底から長さんを偲んで。
土曜の夜の無限ループ、ドリフについて昔語りをせざるを得ない気持ちになっております。美空ひばりや石原裕次郎が逝っても、「昭和の終わり」を意識することのなかったオイルショック世代にとっては、長さんの死こそ、決定的な昭和との別れかもしれない。
ドリフにおける長さんは「標準語の怖い親父」という、俺には馴染みのない設定だった。「コラー!」と怒るおっさんは近所にはいなかった。大人の常識で他のメンバと対立するヒールだった。それに下品なギャグで立ち向かう志村、カトちゃんはもちろんヒーローだった。小学生の時分にはもちろん「ヒールあってのベビーだよネ」なんて一回りした発想があるはずもなく、本気でイヤな存在だった。
そして、オシャレ心が芽生えて、「ドリフ? ダッセェよ」と裏番組のひょうきん族にシフトして行ったのもこんくらいの年齢層に顕著だったろうが、地元では裏チャンネルたるフジがなかったので、俺は飽きるまでドリフを視ていた。もちろん新しいサプライズなんてそうそうなくて、大概はどっかでみたネタの焼き直し、ゲストが違うくらい、なんて内容だったけど、ドリフこそ、予定調和だけど退屈でない娯楽の原体験なのだと今更思う。
(他には水戸黄門か。関西には新喜劇などの独自のループがあるからまた別だろう。あと、トカイ的文脈では普段80'sは…とか90'sは…という回帰はなされても、昭和について語られることはないのは不思議だ。「そんな、元号とか関係ないヨ」ということなのかな。これは別の話か)
この訃報がニュース速報で流れたのもやはり土曜の夜だった。もう一度、日本のドン・コーネリアスこと長さんに黙祷を捧げつつ、スチャダラよろしく「Say Oiiiis!」に応えて行きたい。